先日、TBS赤坂ACTシアターで、舞台「ハリー・ポッターと呪いの子」を、学生たちと鑑賞しました。以下、学生たちの感想です。(一部ネタバレがありますので、ご注意下さい)
■都市社会共生学科4年 Aさん
ハリーポッターシリーズは映画・小説共にかじった程度の知識しかありませんでしたが、今回の舞台ではハリーポッターの世界観や魔法のギミックに非常に心を惹かれ、楽しんで鑑賞することができました。本作では父と子の確執・アルバスとスコーピオスの友情・魔法界を揺るがす事件の3つの軸を基にストーリーが進んでいるように見受けられましたが、次々とシーンが展開されるのでそれぞれのエピソードがバランスよく交差しながら、最終的に大団円で物語が終わったのは後味がすっきりとしていて良かったです。物語を彩る小道具や大道具も一つ一つの作りが細かく、回転する床や汽車で移動するシーンや人を追いかけるシーンなどに効果的に使われていてどのような場面か理解しやすかったです。またほかの舞台にはない魔法のシーンはおなじみの呪文がどのように再現されるかが楽しみでしたが、光や炎などで表されるものだけでなくいきなり人物が入れ替わったりなどトリックが分からないような仕掛けも多く、最後まで目が離せませんでした。
そして最も感銘を受けたのは舞台に立つ役者さんたちの熱い演技でした。舞台観劇自体が初めてでしたが、長台詞をスラスラと表現豊かに、まるでそのキャラクター本人のように語る姿は圧倒されました。特にハリーポッター役の向井理さんはコミカルな姿から最後の苦しみに耐えて叫ぶシーンまで感情の幅が広く、見ている人も思わず感情移入してしまうような演技だったと思います。また個人的には嘆きのマートルを演じた女優さんも愛嬌たっぷりで映画に登場したマートルっぽくて好きでした。
はじめは長いと思っていた3時間40分程の感激でしたが、集中してみるとあっという間に終演の時間になっていました。機会があればまた別の席でこの物語を観に行きたいと思っています。素敵な時間をありがとうございました。
■ 同 3年 Bさん
○会場の装飾について
赤坂駅に着いた途端、ハリーポッターの世界観が広がっていたのが驚きだった。赤坂の劇場周囲の街全体がハリーポッターを演出していて、上演前はもちろん、観劇し終わって会場から出てきたときも、ハリーポッターの世界観にどっぷりと浸かることができた。スタジオ企画の時は、「没入感をいかに演出するか」が一つの課題だったが、このように街全体が演出されていれば、ただ街に訪れた人でさえも作品に引き込むことができる仕掛けになっていると思った。
○舞台装置と演出について
座席に着くと、すでに設定されている舞台装置が見えて、これから舞台が始まることに一気に実感が湧いた。上演前のアナウンスも、休憩後の幕開け前にも「乗車」というハリーポッターの世界観ならではの言葉が使われていて、これからどのような物語が始まるのだろうと期待が高まった。
演出では、魔法の表現、階段とドアが印象的だった。
魔法は特に、炎が出たり人が別人に変身したりするシーンで全く仕掛けがわからずに驚いた。二次元の表現を三次元の舞台でリアルに表現していて、それに舞台だからこそ体感できる音響や光も加わって、迫力に圧倒された。
階段とドアは、人物の出会いやすれ違いなど重要な場面に使われているようで印象に残った。特に階段は、舞台上で何度も位置を変えたり動かしたりしていて、ストーリー展開に躍動感や程よいテンポ感をもたらしていると感じた。
○ストーリーについて
今までさほどハリーポッター作品に触れてこなかったのだが、テンポの良い会話や個性的なキャラクターたちの行動、シリアスな場面がありながらも笑える場面もあって、話に入り込めた。時間を巻き戻して過去を替える設定は、現実とはかけ離れているが、生徒たちの友情や親子関係など、共感できる点もたくさんあって、とても楽しい時間だった。