さる8月19,20日に横浜国立大学で開催された、日本アニメーション学会設立25周年記念第25回大会with SASは、大成功で終了いたしました。思い返せば約2年前、25周年記念で会長として目標にかかえていた「学会の国際化の推進」を、大会の国際大会化という形でできないかと思い立ち、アニメーション研究で世界一の規模の学会国際アニメーション学会(Society for Animation Studies)の会長にメールを送ってみたのが事の発端でした。こんな規模の小さい日本の学会とのコラボなど、どう思われるかなと恐る恐る(でも、SAS会員の友人を通じて、少し内情を教えてもらいつつ)、25周年記念大会を行うので、なにかコラボイベントを考えられないかと提案しました。すると、意外にも「すばらしいアイデアだ!」と返事をいただき、その後会長のクリス・パラント先生とJSAS副会長の先生と3人でZOOMで打ち合わせすることに。
最初は結構緊張していたのですが、とても好意的に受け取っていただき、シンポジウム「ギャップとスペース」を提案すると、「自分も参加するよ」とノリノリのお返事もいただきました。けれどもその時はまだコロナ禍。ワクチンも浸透しつつありましたが、まだまだ状況が落ち着かない頃。「でも2年後だから、きっとその頃には対面でできるようになっているよ」という希望を持ちつつ、会議を重ねました。
そして信頼できる先生方がご賛同下さり、実行委員会を組織し、最強のバイリンガルコミティメンバーが誕生。1日目は英語キーノート、シンポジウム、そしてクリス会長のご提案のマイクロプレゼンテーション、2日目は日本語キーノート、”アニメーション学”の25年の総括と展望を試みるラウンドテーブル、そして定例の個人・パネル研究発表、と次々と決まっていきました。ただし、国際学会を記念して、個人研究発表は英語でも可、として募集。「本当に応募者がいるのですか」などという言葉にもへこたれず、ふたを開けてみたら結構な応募があり、しかも内容がとてもすばらしく、英語スロットの教室は大入り満員でした。海外からのオンライン参加も、今後のJSASの発表形態として可能性を開いたのではないかと思います(毎回は難しいかもしれませんが)。
日英のバイリンガルですべての情報を掲載し、キーノートやシンポジウムなど、事前に発表原稿を提出してもらい、翻訳をするという方法は、かなりの時間と労力がいり、何度もくじけそうになりましたが、実行委員のみなさまのご協力のおかげで、なんとか形になりました。シンポジウムの討論では、初めて逐次通訳を業者に委託。こちらの通訳さんが非常に評判よく、日英でテンポよくやって下さって、討論が途切れることなく充実したものになりました。
予期せぬトラブル、ハプニングもあったのですが、コロナ禍明けの久々の対面の大会、そして懇親会で、まさにコンタクトゾーンの重要性を知りました。そして、SASのみなさん、そしてJSASのみなさんのご協力に感謝感謝です。