2024年4月より、放送文化基金様から助成を受け、「日本のアニメ業界における女性制作者の労働・職位と作品の女性表象との関連性に関する研究」を開始いたします。プロジェクトメンバーは4名。
これまで筆者は、IMART2021で呼んでいただいた「アニメ業界 女性の働き方」や、第1回新潟国際アニメーション映画祭で呼んでいただいた「アニメーションと女性」に参加しました。その議論の中で、アニメーション作品に携わる女性の数や、そのうち意思決定権にどのくらい女性がいるのか、などこれまであまり調査されていなかったことを痛感しました。データがないと、印象論で語るしかなく、問題点がぼやけてしまうため、まずデータベースを作り、可視化することを目指そうと考えました。同時に、年代ごとに作品を数点ピックアップして、内容分析とスタッフの関係も調査する予定です。
2023年のジェンダーギャップ指数が127か国中125位とされた日本。まだまだジェンダーの課題はつきません。特に、映画や演劇の世界では、一般社団法人Japan Film Projectが主導する制作にかかわる女性比率の調査が進みつつあります。アニメーション映画も調査対象になっていますが、テレビアニメはまだ対象外です。
また一般社団法人日本アニメーター・演出協会では、定期的に実態調査の結果を公表しています。私たちは、そうしたみなさまの調査を参考に、そしてお互い協力しつつ、調査を進めていく所存です。