去る11月9日(月)、渋谷のAiiA2.5シアターで開催された「劇場都市渋谷シンポジウム」に参加してきました。
http://www.diamond-ag.co.jp/shibuyashinpo/
会場は、比較的若い方が多かったです。それもそのはず、1/3くらい?は、ゲストの佐藤流司さん目当てのファンの方らしく、彼が出てきたら黄色い声が上がりました。
それは、ご褒美的な感じでしたが、登壇者は渋谷の劇場の関係者(パルコ劇場、シアターオーブ、新国立劇場、AiiA2.5シアター)で、芸大の岡本美津子先生が司会をされました。
渋谷をアメリカのブロードウェイ、英国のEast Endのようにしたい、もっとインバウンド観光、滞留時間を長くしたい、との目論見から、このようなシンポが企画されたらしく、筆者も言われてみれば渋谷=劇場って言われてもおかしくないのに、なぜかメジャーにならないのはどうしてかな、と思っておりました。(それは、たぶん小劇場とか密集していないからかも、と思いますが)
でも、2.5次元舞台を専門とするAiiA2.5シアターのおかげで、だいぶ渋谷の劇場に足を運ぶ若者が多くなってきたように感じます。筆者のゼミ生も、今まで演劇なんて見たことない、という学生がほとんどでしたが、2.5次元もので初めて演劇・ミュージカルに触れたというパターンでした。
それはさておき、渋谷=劇場都市としてブランディングするには、町ぐるみでバックアップしないといけない、という意見はごもっともでした。そのほかに、当日券の情報を共有して、駅の近くで買えるようにする、というアイデアも理想的です。筆者は英国留学の時は、ミュージカルのチケットを安く売っているブースがあって、そこで当日や近日の上演で、余っているチケットが一括して調べられたりして、結構利用しました。学割も充実していたし。
アメリカ留学中は、マチネをよく利用していましたね。そうしたマチネ料金って、日本ではあまり見かけないですね。それは美術館にも言えることです。筆者がスペインに住んでいた時、プラド美術館は午後6時以降無料なんですよね。貧乏な学生は、そういうのを狙っていくわけです。若い頃から、そうしたアートのリテラシーを身につけ、アート鑑賞を日常の一部にするわけですね。日本はそうしたリテラシーが欠けていると思います。映画でも美術館でも、「ハレ」の行事なんですよね。気軽に行けるものではない。
演劇のチケットも高いし、オペラなんて、もはやセレブのみの世界です。学生に聞くと、「見たいものでも、出せるのはせいぜい5千円くらいまでかな」と言ってたりして、なかなか難しいですよね。映画の1500円でも、何回も観れるレベルではないし。
街をアートで活性化させるのに、色々とまだ課題が多いだろうなと思わせるシンポでした。