2016年10月01日
ミュージカル『刀剣乱舞』〜幕末天狼傳 鑑賞報告
2.5-D Musicals and Live Theater
ミュージカル『刀剣乱舞』〜幕末天狼傳 鑑賞報告

ミュージカル『刀剣乱舞』の第2弾「幕末天狼傳」に行ってきました。いつものことですが、女性に大人気です。開演20分前に行ったら、すでに物販やトイレが長蛇の列。本当に圧倒されます。

舞台『刀剣乱舞』の方は鑑賞済みでしたが、ミュージカルは第一弾「阿津賀志山異聞」を見逃し(というよりチケットが取れず)、さすがに今回もダメかと思ったら運良く当選。いつも通り、前情報をあまり入れずに臨みました。少しネタバレをしてしまうと、新撰組の刀たちが、幕末の歴史を守るために紛争する物語を軸に、刀たちの心を描いた作品でした。

2部構成で、1部はミュージカル、2部はショーになっていて、1部と2部の間に休憩が入るという、宝塚方式。2部は、1部とはがらっと変わった舞台の雰囲気に、洋装ででてきた刀剣男子。ファンサービスもしっかり、ギャグもしっかり、そして本格的な見せ場(今回は新撰組の近藤、土方、沖田の和太鼓とアンサンブルさんたちのダンス)もあり、色々な面で楽しめるものでした。

驚いたのは、2部ではサイリウムやキャラ名が書いてあるうちわを使用可(というか、物販で売っている)という、アイドルコンサート並みな客席が出来上がっていたところ。慣れているであろう隣の人に聞いたところ、サイリウムのキャラの色は公式HPで発表されるとのこと。中には、好きなキャラ(もしくはキャスト)の色のサイリウムを6本も持参する人もいるとか。これは、宝塚以上に、そして応援上映以上に、準備を怠ると置いていかれ感がすごいです。

それでも、この観客内包型の演出にかなりの研究のヒントをもらいました。2部は1部のミュージカルのカーテンコールにもなっていて、ああ、こうして1部と2部がつながるんだというなるほど感がありました。宝塚は完全なる分断がありますからね。非常に興味深く、また色々と考えさせられる舞台でした。


須川亜紀子
須川亜紀子
Akiko Sugawa-Shimada
横浜国立大学 都市科学部/都市イノベーション研究院 教授
Professor, Department of Urban Sciences/ Institute of Urban Innovation Yokohama National University
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