舞台「黒子のバスケ」の第2弾、「Over Drive」を観てきました。http://www.kurobas-stage.com
舞台「黒子のバスケ」(以下、「黒ステ」)の一番の特徴は、アニメで主役黒子テツヤを演じている声優の小野賢章さんが、黒子本人を演じている、ということでしょう。こうした声優/舞台キャストの試みは、2000年(旧シリーズのアニメの第1期の放映年)に「ミュージカルハンターXハンター」で、かなり本格的に行われていました。しかし、「2.5次元舞台」が流行を迎えた2008年以降では、マイノリティでした。最も重要視されるであろう、ビジュアルの問題があったからです。アニメの主人公は往々にして少年や少女。しかし、声優さんはすでに成人であり、なかには、中年を迎えたベテラン声優もいるわけで、そうした現実の年をとる声優が、永遠に年をとらない少年・少女たちを演じるのには限界があるわけです。
話を「黒ステ」に戻すと、やはり黒子の声と、黒子っぽいビジュアルをもっている小野さんは、本当に黒子がそこにいるような再現性がかなり高かったです。また、「黒ステ」は、テレビアニメの主題歌をそのまま使っていて、かなりアニメを想起させる装置が整っています。
舞台のオープニングには、テレビアニメの時のオープニングが使われ、キャストがそれに合わせて踊ります。そして、「2.5次元舞台」に多い、タイトルの視覚化。「黒ステ」の場合は、なぜか毎回、垂れ幕をかかげて、それを「切って落とす」式がとられています。もちろんんロゴは、漫画原作と同じ、あの字体です。
かなり再現性の高さを目指した舞台ですが、どうも難しいのは、黒子が見えない、というあのミスディレクションテクニックと、タップパスなどの迅速なボール回しでした。ボールをあえて描かないで成功した「ミュージカルテニスの王子様」や、マイムと実物を組み合わせた「ハイパープロジェクション演劇 ハイキュー!!」と異なり、実際のボールを多用する「黒ステ」は、客席にボールが落ちてしまうアクシデントもふくめ、かなり見せ方が難しいなと感じました。(試合中はすべてマイムのほうが、よかったのでは?)
また、これも難しいと思われるのは、キャストの背の高さでしょう。今回出演した火神や黄瀬はかなりの長身で、黒子とはその背の高低差が萌えるツボだったりしますが、これはあまりキャストでは再現しずらかったようです。紫原がでたらどうするんだろう、と心配しつつ、楽しみです。
今回は、ウィンターカップの出場権をかけて戦うわけですが、アニメと同じくかなりの存在感があったのは、霧崎第一高校の花宮でした。あのイキぶりが、絶妙でした。また、アニメでは影の薄い土屋(ツッチー)が、コミックリリーフであり、メッセンジャーの役をしているのが興味深かったです。
息の長いコンテンツであり、これから主要キャラがどんどんでてくるわけで、毎回演出がとてもたのしみです。第3弾はいつなのか。たのしみです。