コンテンツツーリズムにとって、神社仏閣は重要な聖地になっています。そこは、「お願いごと」をする場でもあるからです。また、巡礼ノートが設置されているところも多く、訪問者は何かしらメッセージを残します。
田町菅原八幡宮は、第二期のオープニングで名取と彼の式がいた場所。前回約1年前に来た時の最新ノートは16冊目だったのですが、今回は21冊目になっていました。一冊100ページくらいある分厚いノートなので、いかに継続的に人々が来ているかがわかります。吹きさらしだったスタンプ台はプラスチックケースに入れられ、乾きが防ぐ工夫がされていました。
そして、次の日念願の大畑駅に行って来ました(写真)。ここは鉄道ファンの聖地でもあるため、ノートは鉄道ファン用と夏目用の2種類が置いてありました。ここの特徴は、構内に名刺が貼られていること。筆者ももちろん置いてきました。
無人と聞いていましたが、駅を管理する近所の方三人が常駐していて、お弁当、お惣菜を売っています。買って、休憩室で食べることもできます。筆者が中に入り、夏目関係のポスターや写真入り聖地説明を見ていると、この手作り聖地ガイドはファンの人が置いて行ったとのこと。ここは「こぎつねの帽子」のエピソードに出てくる神社も近くにあり、管理人のおじさんも、実際自分の罠にかかったこぎつねの写真を見せてくれました。もちろん、子狐は放してやったとのこと。管理人さんたちは、「夏目」のことをよく知らず、ファンから教えられて初めて聖地だと知ったという、典型的なパターンでした。でもあとでアニメを見て、ファンたちの思いを壊さないよう、心がけているとのことです。(帰りの電車がなくなった中国のファンのために、車で送っていくよう近所の人に頼んだこともあるとか)
筆者がうろうろしていると、お昼時になり、管理人の皆さんがお弁当を広げ始めました。訪問ノートを見ていた筆者に、お茶を淹れてくれ、ちょうどおやつをもってきたので、一緒に食べました。ほのぼのとした時間、優しい人たちは、「夏目」の世界そのものです。あとから入って来た親子連れは、常連さんらしく、お弁当を買って一緒に食べていました。すると、なんと「夏目」が好きで移住してきたとのこと!コンテンツツーリズムがいつしか移住につながる、という例はいろいろな聖地で起こっていますが、ここにもやはりいらっしゃいました!「普通は田舎を嫌がるものだけど、うちの奥さんは「夏目」が好きで・・・」と話すご主人は嬉しそうでした。
帰りの電車が来てしまったので(逃すと2時間待ち)詳細を聞けなかったのが悔やまれます。移住のきっかけやその後の生活のことなど、機会があればぜひおうかがいしたいなあと思います。