アニメ、マンガ、ゲームなどの二次元の虚構世界を、三次元の”現実”の人間の身体でパフォームし、2次元と3次元の曖昧な境界を享受する「2.5次元文化」。その代表例である、「2.5次元舞台」を中心に論じた、『2.5次元文化論―舞台・キャラクター・ファンダム』が青弓社から1月27日発売予定です。
はじめに
第1章 「二・五次元文化」の隆盛
1 「二・五次元」の意味の変容
二・五次元としての声優(または“中の人”)
マンガ、アニメベースの舞台としての二・五次元
2 二・五次元文化隆盛の背景
キャラクターとその共有、消費、利用
リアリティ認識とコミュニケーション様態の変容
参加型文化――パフォーマンスとしての二・五次元文化実践
3 本書の構成
第2章 二・五次元舞台とは何か――虚構的身体性とファンの相互作用
1 「二・五次元舞台」の歴史と社会文化的背景
「二・五次元舞台」の歴史とマンガ、アニメ、ゲーム文化
声優、特撮ヒーローなどの若手イケメン俳優
2 キャラクター/キャストの「虚構的身体性(virtual corporality)」
英語圏のマンガ、アニメ原作ミュージカル
虚構的身体性(virtual corporality)とメディアとしての身体
3 相互参照的メディア横断ナラティブ(クロスレファレンシャル・トランスメディア・ナラティブ)と「虚構的身体性」
第3章 二・五次元舞台の成立と展開
1 アニメミュージカル――“二・五次元的(傍点)舞台”から二・五次元舞台へ
ミュージカル『聖闘士星矢(ルビ:セイントセイヤ)』(一九九一年)と少女マンガ原作ミュージカル
『サクラ大戦』歌謡ショウシリーズ(一九九七―二〇〇六年)
『HUNTER×HUNTER』シリーズ(二〇〇〇―〇四年)
2 “二・五次元”舞台の誕生へ
ミュージカル『テニスの王子様』シリーズ――二・五次元舞台ブームへ
ミュージカル『美少女戦士セーラームーン』――戦略的「チーム女子」
舞台/ミュージカル『刀剣乱舞』シリーズ――歴史ブームとゲーム原案コンテンツ
ハイパープロジェクション演劇『ハイキュー!!』――言葉、映像、音楽、虚構的身体性
[インタビュー]海外での二・五次元舞台の広がり
第4章 二・五次元舞台ファンと「嗜好の共同体」としてのファンダム
1 「嗜好の共同体」としてのファンダムの可能性と課題
趣味、趣味縁、アニメ・マンガファンダム
“ハッシュタグ・コネクション”と「弱いつながり」
2 量的調査
3 質的調査
フォーカスグループ討論――『テニミュ』の女性ファン
日本人ファンへの個別インタビュー
海外ファンへの個別インタビュー
おわりに
引用文献一覧
二・五次元文化年表
あとがき