芸術新聞社の『美人画づくし参』に、「「魔法少女」アニメにみる原風景」という論考を寄稿させていただきました。「魔法少女」アニメが、フェミニズムや女性をめぐる社会情勢と連動しながら、どんな少女を描いてきたかについて書きました。
美人画は、男性作家による男性に欲望される女性、またはそれを内面化した女性作家によるものから、現在は、グロテスクな内面もあえて描くような、女性作家によるリアルな女性像に変わってきているそうです。それを「第二世代」とよび、1995年前後生まれの女性作家たちだとか。彼女たちに大きな影響を与えているものの一つが、アニメ『美少女戦士セーラームーン』(1992~97年)だそうです。確かに、再放送を含め、『セーラームーン』洗礼をうけた少女たちは、精神性とファッションの面で、影響を受けていると思います。(拙書『少女と魔法』(NTT出版)に詳細あり。ただいま売り切れ中。復刊を願います。)
メディア状況に関する久保友香さんの「盛り」の論考も面白かったです。ぜひご一読を。
美人画の研究に、もしかしたら、これから少女マンガや、乙女ゲームなども視野に入れてみると、違った側面がもっと見えてくるかもしれないと思いました。