学生が感想を寄せてくれましたので、ご紹介します。
修士2年 高田和音
作品全体に感じた印象としては、役者さんそれぞれのふとした動きや、立っているとき、決めポーズをしているときの足の開き具合(足をそろえて立つ・肩幅に足を開く等)がキャラクターそのもの、という感じがしました。特にセーラーマーズとセーラージュピター役のお二人にそれを抱きました。『セーラームーン』を知っている人がもっているキャラクターそれぞれに対する「こう動くだろう」というイメージや話し方をことごとく再現されていたのではないかと感じました。小さいころ、セーラームーンを初めて見たときの、あの憧れの気持ちや、ポーズ、小道具がそのまま舞台で再現されていて、画面の向こうやフィギュアで見たセーラームーンがこちら(私)を向いて、認識して、手を振って、歌を歌ってくれていると思わせてくれることに感動しました。
以下は、各役者さんに感じた印象になります。
セーラームーン/月野うさぎ役の田中さんがとてもパワフルだなあと思いました。うさぎちゃんのもともとのキャラクター性、作品の中での中心人物といった意味合いでの存在感、キャラクターとしてのパワフルさもそうですが、歌唱パートで「歌が上手い」ということだけではなく、歌声に重厚感、厚みのようなものを感じとったためです。戦闘シーン等でターンをするときに、ツインテールが「くるん」と回るところがアニメで見た印象のままで、印象に残っています。
セーラーヴィーナス/愛野美奈子役の牧野さんから目を離せませんでした。美奈子ちゃんのかわいらしさやアイドルっぽさが全身で表現されていて、遠くから見たとしても「美奈子ちゃんだ!」とパッとわかるような表現をされていて、登場するたび自然と目で追ってしまいました。
ルナの人間の姿の役を演じられていたMARISAさん、演技もとても素晴らしかったのですが、歌声にとても引き込まれて、「もっと聞いていたい!」と感じました。ルナ役の櫻井さんも歌声が会場に広がっていくような印象でした。ルナの視点がわかりやすく演出されていたと思うので、心情も読み取りやすかったです。ですが、ルナ役のお二人の演技、歌唱から、翔さんに対するルナの「好き」という気持ちや、生きてほしいという思い、報われない切なさといった感情が非常に伝わってきて、気づいたらルナに感情移入していた、という印象でした。ラストの方の「このまま連れて行っちゃいたいけど」というセリフや、「かぐや姫がいるか見に来て、必ずよ」というセリフは、現代版のかぐや姫のように感じられました。