2015年6月06日
日本アニメーション学会第17回大会 テーマ「アニメーションとジェンダー」
お知らせ
日本アニメーション学会第17回大会 テーマ「アニメーションとジェンダー」

2015年6月13日(土)、14日(日)に、横浜国立大学にて、日本アニメーション学会第17回大会が開催されます。大会テーマは「アニメーションとジェンダー」です。

2015年アニメーション学会大会は、単独主催としては 初めて国立大学で行われることになりました。国立大学の 役割が文部科学省から厳しく問われている近年、人文学 系への風当たりは年々強くなっています。そんな中、日本 アニメーション学会の大会を横浜国立大学で開催させて いただくことに、大いなる希望と責任を感じています。 大会のテーマは、「アニメーションとジェンダー」です。ア ニメーション研究の中で、ジェンダーの問題は重要な論点 の一つです。たとえば、商業アニメは、ターゲット視聴者別 (男児・女児向け、少年・少女向け、成人男性・女性向け など)の作品制作がなされてきた一方、昨今は、少子化や ジェンダー平等の浸透などにより、そうしたジェンダー区分 や意味自体が問われてきています。また、ポストフェミニズ ム時代の現代において、ジェンダー規範の呪縛から解放 され、美=パワーとして女性のエンパワメントが提唱されま したが、一方で保守的な揺り戻し(バックラッシュ)も深刻 化しています。 男性性、女性性に加えて、セクシャルマイノリティの不在 化または遍在化など、ステレオタイプ化されたジェンダー 表象の再生産や転覆、交渉のなされる場として、アニメー ション作品の機能を考察することも可能でしょう。 また、アニメーションの制作者側のジェンダーも問いの 一つになるでしょう。制作現場において、男性が多数派を 占めてきた管理職や決定権をもつポジションにも女性が 多くなってきている昨今、制作におけるジェンダー問題の 状況はどうなっているのでしょうか、また、何が問われるべ きなのでしょうか。 そうした問題意識を共有し、アニメーションとジェンダー にまつわる多様な問題群を、パネル発表によって様々な 角度から掘り起こし、可視化し、議論していきたいと思いま す。ジェンダーに興味のある方もない方も、今後のアニ メーション表現におけるジェンダー問題を意識せざるをえ なくなる、有意義な大会を目指します。

詳細は、大会Facebook www.facebook.com/jsas2015/ をご参照ください。参加には事前登録が必要です。事前登録がない方は、会場の関係で、入場をお断りさせていただく場合もあります。ご了承ください。


須川亜紀子
須川亜紀子
Akiko Sugawa-Shimada
横浜国立大学 都市科学部/都市イノベーション研究院 教授
Professor, Department of Urban Sciences/ Institute of Urban Innovation Yokohama National University
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