2015年3月15日
2.5次元文化に関するシンポジウムを開催
お知らせ
2.5次元文化に関するシンポジウムを開催

2015年2月5日に、2.5次元文化を考えるシンポジウムを開催しました。あいにくの雨でしたが、会場には約130人の方が足を運んでくださり、大好評をいただきました。

 

「2.5次元文化に関する国際シンポジウム~2.5次元ミュージカルとコスプレにおける女性の文化実践~」

 

2015年2月5日に2.5次元文化に関する国際シンポジウムを開催しました。

2.5次元文化とは、現代ポピュラー文化(アニメ、マンガ、ゲーム)の虚構世界を現実世界に再現し、虚構と現実の曖昧な境界を享受する文化実践のことを指します。具体例として、コスプレやマンガ等を原作としたミュージカル(ミュージカル『テニスの王子様』、ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」等)、コンテンツツーリズムなどがあり、若者を中心に海外でも積極的消費がなされています。しかし、学術的な研究は追いついておらず、若手研究者中心に領域横断的な研究が散見されるのが現状です。

 
本シンポジウムでは、2.5次元文化発信地である日本と、それを享受発展させている海外の研究者、および制作者たちの学術交流を、研究者、学生だけでなく、一般市民に開かれた場で行います。制作側と研究者側の両サイドから、特に「女性オーディエンス」に焦点を当てて、2.5次元文化の国際比較研究を行う。これにより、新たな理論構築に向けての基盤作りを目指します。

 
登壇予定者のエメラルド・キング氏は、自らもコスプレ実践者として、女性とコスプレの関係を研究されています。タスマニア出身の氏は、地政学的に欧米とアジア両方から影響を受けつつ、周縁化された地であるタスマニアで、コスプレがどのような政治的意味を持ちうるか、また女性が異装をする社会的意味とは何かを研究しています。

 
また、一般社団法人 日本2.5次元ミュージカル協会 の代表理事である松田誠氏には、10年以上も女性に圧倒的人気を博している“テニミュ”(ミュージカル『テニスの王子様』)を始めとする、2.5次元ミュージカルについて、制作者側から語っていただきました。

最後に横浜国立大学の須川亜紀子氏は、文化研究、パフォーマンス研究の立場から、女性オーディエンス、文化実践、審美的価値観が2.5次元文化を通じてどのように現象しているのか、二者の議論を横断的に論じました。

 
こうしたシンポジウムを研究者・学生だけでなく、一般の人々に公開することにより、研究活動だけでなく、多様な創造活動を考える刺激的な機会になりました。

 

主催:横浜国立大学、YCCスクール

定員:100名

参加費:無料


須川亜紀子
須川亜紀子
Akiko Sugawa-Shimada
横浜国立大学 都市科学部/都市イノベーション研究院 教授
Professor, Department of Urban Sciences/ Institute of Urban Innovation Yokohama National University
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