2016年2月22日
「ミュージカルテニスの王子様 青学vs.山吹」鑑賞報告1
2.5次元ミュージカル・ライブシアター

大成功に終わった「ミュージカルテニスの王子様the 3rd season 青学vs.山吹」を、ぽぷすたの学生有志で見に行ってきました。おなじみの曲、新しい演出、ハプニング、お見送りと、2.5次元舞台ならではのメニューでお腹いっぱいでした。この日は、「聖ルドルフ」の不二裕太の誕生日ということで、裏ナレーションで小コントが、キャラに扮するキャストたちで繰り広げられるなど、お見送りの順番を待つ間も、ファンサービスが充実していました。

個人的に面白かったのは、後ろに座っていた女性2人組が、ずっと興奮して「かわいい、かわいい」「やばい、やばい」を繰り返していたこと。「カワイイ」のパワー、侮れません。

一緒に行ったぽぷすたの学生が、感想文を寄せてくれました。
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個人的に原作すらしっかり読んだことがなく、対戦校の名前も初めて聞いた“ミュージカルテニスの王子様 青学vs山吹”を鑑賞させていただいた。しかし、2.5次元ミュージカルで人気が定着したその原点とも言える“テニミュ”にとても興味があった。なぜここまでファンが殺到するのか、なぜ3rdシーズンまで続くほど人気を誇っているのか、そもそも世間を賑わせている2.5次元ミュージカルとはどの様なものなのか改めて考え直したいなど、様々な疑問と感情を胸に秘め、今回の“テニミュ”に臨んだ。

第一に、舞台上での試合で使われるコート内のネットの使用法と、照明の演出がとても興味深かった。青学の選手同士で個人戦が行われ、A戦の越前と不二が先に緊迫とした空気の中試合が進んでいった。しかし、ラリーが続き、途中で手塚と桃城のB戦が同時進行で始まろうとした際、ネットを利用して、A戦の二人を照明が少し落とされたステージの奥に誘導し、手前にB戦の試合がスタートした。本来ネットは1つのコートで、対戦相手を二手に区切るために使われるものだが、敢えて2つのコートを分けるため使用されていた。

他にもネットを挟んで左右に青学と山吹が対戦していた際、途中で黒子がネットを斜めに移動させ、照明によって左だけ暗転した。すると山吹の選手が居た左側に、過去の対戦相手である聖ルドルフの選手が登場し、あたかも時系列を変化させ、会場全体が過去にタイムスリップしたかのような演出を可能にした。漫画では過去のシーンを描く際、コマ割りの部分を黒くし区別し、またアニメでの過去の描写は背景をモノクロの色彩にし、視聴者に時間軸が過去のものであると認識させるなど様々な表現法を使用する。実写で過去の描写を描くのは困難のように思われたが、ミュージカルでは小物と照明を利用して上手く時系列を変化させていた。

さらに、“テニミュ”ならではのファンサービスに驚いた。公演が終了した直後、客席から手拍子が次々と湧き、何が始まるのだろうと困惑していた。すると閉じた幕がもう一度開き、キャストたち1人1人の挨拶が始まり、その後は学校ごとの声掛けと振り付けをキャストが観客に教えるという独特の空間が出来上がった。観客の参加型とはこういうことなのかと個人的にすごく納得が出来た。会場全体が一体化し、共に同じ時間を共有している感覚が理解できた。また、キャストの数人は客席まで足を運び、手を振ったりハイタッチを行ったりと、手厚いファンサービスを目の当たりした。全ての公演が終了した後も数人のキャストがお見送りを日替わりで成され、おもてなし精神を感じた。

原作も知らず、キャストである演者が誰なのかなどもまったく知らない状態で今回“テニミュ”に行ったが、作品の内容やキャストだけでなく、演出の仕方やファンサービスなど、あらゆる方面で人気の秘密が分かった気がした。また、特典のポストカードが数種類在ることや、お見送りのキャストが日替わりで変わるなど、リピーターが増えるのもうなずける。ちなみに今回私が鑑賞した公演中に、大石役の石田隼がテニスラケットを落とすというハプニングがあった。その時、観客から黄色い声があらゆる方面から聞こえたのだが、失敗も日によって有無変わるところもまた2.5次元ミュージカルの醍醐味なのであろうと感心した。(3年 清水桃香)


須川亜紀子
須川亜紀子
Akiko Sugawa-Shimada
横浜国立大学 都市科学部/都市イノベーション研究院 教授
Professor, Department of Urban Sciences/ Institute of Urban Innovation Yokohama National University
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