2020年9月14日
日本アニメーション学会第22回大会終了しました
アニメ、マンガ

2020年9月12日(土)、13日(日)にオンラインで行われた日本アニメーション学会大会は、無事終了しました。

 関東、東北では12日に地震がありましたが、発表者やメイン中継地では、忙しすぎて、揺れたことすら知らなかったということでした。実際、揺れはすぐおさまったので、発表は中断することはありませんでした。幸いでした。そうしたアクシデントもありましたが、発表12件はどれも興味深く、参加者からの質問やコメントも多くだされ、充実したものとなりました。

 そして、去る3月に他界された、アニメーション研究家の渡辺泰先生の追悼シンポジウムは、豪華ゲストを迎えて、渡辺先生の功績を多角的に検証、紹介するものでした。渡辺先生の広いネットワークは、国内だけでなく海外にも広がっていて、生前のお姿が偲ばれます。渡辺先生からいただいたバトンを、我々アニメーション研究者がしっかりと引き継いでいきたいと思いました。

 2日目は、昨年学会賞を受賞された西村智弘氏(映像評論家)による、「わたしたちはアニメーションをどう理解したか」についてのご講演でした。映像を紹介しながらの解説は実にわかりやすく、国内で「アニメーション」が何をさすのか、その言葉出現以前に、どんな用語が使用されていたのか、など概念形成を周辺メディアからも探られている興味深い講演でした。

 そして最後は、今年の学会賞授賞式。学会賞には、宮本裕子さんの『フライシャー兄弟の映像的志向』、特別賞は、「富野由悠季の世界」展と、「高畑勲展」の二つの展覧会の企画に贈賞されました。どちらも演出家(特にあまり絵コンテを描かない)の展覧会で、これまであまり取り上げられなかった「演出」というアニメーションの重要なパートについての意欲的な展覧会です。まだ巡回中なので、ぜひ足を運んで実物を見ていただきたいと思います。

 総じて、初のオンライン開催で、あらゆる事態を想定しつつこの数ヶ月準備をしてきましたが、終わってみれば、意外とうまくいったのではないかと思います。心配されたネットワークダウンや、マイクやカメラの不調もありませんでした。オンラインならではの利点もありました。会場がサイバー世界ということも、普段遠くて来られない人、仕事が忙しい人が、気軽に参加下さったことも大きな収穫でした。

 最後に御登壇者のゲストのみなさま、ご参加くださったみなさま、そして研究時間を削ってオンライン開催のプログラム実行のために奔走してくださった実行委員会の委員のみなさまに厚く御礼申し上げます。


須川亜紀子
須川亜紀子
Akiko Sugawa-Shimada
横浜国立大学 都市科学部/都市イノベーション研究院 教授
Professor, Department of Urban Sciences/ Institute of Urban Innovation Yokohama National University
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