2021年1月20日
単著『2.5次元文化論』が発売されます
2.5D プロジェクト
単著『2.5次元文化論』が発売されます

アニメ、マンガ、ゲームなどの二次元の虚構世界を、三次元の”現実”の人間の身体でパフォームし、2次元と3次元の曖昧な境界を享受する「2.5次元文化」。その代表例である、「2.5次元舞台」を中心に論じた、『2.5次元文化論―舞台・キャラクター・ファンダム』が青弓社から1月27日発売予定です。

 

目次

はじめに

第1章 「二・五次元文化」の隆盛
 1 「二・五次元」の意味の変容
   二・五次元としての声優(または“中の人”)
   マンガ、アニメベースの舞台としての二・五次元
 2 二・五次元文化隆盛の背景
   キャラクターとその共有、消費、利用
   リアリティ認識とコミュニケーション様態の変容
   参加型文化――パフォーマンスとしての二・五次元文化実践
 3 本書の構成

第2章 二・五次元舞台とは何か――虚構的身体性とファンの相互作用
 1 「二・五次元舞台」の歴史と社会文化的背景
   「二・五次元舞台」の歴史とマンガ、アニメ、ゲーム文化
   声優、特撮ヒーローなどの若手イケメン俳優
 2 キャラクター/キャストの「虚構的身体性(virtual corporality)」
   英語圏のマンガ、アニメ原作ミュージカル
   虚構的身体性(virtual corporality)とメディアとしての身体
 3 相互参照的メディア横断ナラティブ(クロスレファレンシャル・トランスメディア・ナラティブ)と「虚構的身体性」

第3章 二・五次元舞台の成立と展開
 1 アニメミュージカル――“二・五次元的(傍点)舞台”から二・五次元舞台へ
   ミュージカル『聖闘士星矢(ルビ:セイントセイヤ)』(一九九一年)と少女マンガ原作ミュージカル
   『サクラ大戦』歌謡ショウシリーズ(一九九七―二〇〇六年)
   『HUNTER×HUNTER』シリーズ(二〇〇〇―〇四年)
 2 “二・五次元”舞台の誕生へ
   ミュージカル『テニスの王子様』シリーズ――二・五次元舞台ブームへ
   ミュージカル『美少女戦士セーラームーン』――戦略的「チーム女子」
   舞台/ミュージカル『刀剣乱舞』シリーズ――歴史ブームとゲーム原案コンテンツ
   ハイパープロジェクション演劇『ハイキュー!!』――言葉、映像、音楽、虚構的身体性
   [インタビュー]海外での二・五次元舞台の広がり

第4章 二・五次元舞台ファンと「嗜好の共同体」としてのファンダム
 1 「嗜好の共同体」としてのファンダムの可能性と課題
   趣味、趣味縁、アニメ・マンガファンダム
   “ハッシュタグ・コネクション”と「弱いつながり」
 2 量的調査
 3 質的調査
   フォーカスグループ討論――『テニミュ』の女性ファン
   日本人ファンへの個別インタビュー
   海外ファンへの個別インタビュー

おわりに

引用文献一覧

二・五次元文化年表

あとがき


須川亜紀子
須川亜紀子
Akiko Sugawa-Shimada
横浜国立大学 都市科学部/都市イノベーション研究院 教授
Professor, Department of Urban Sciences/ Institute of Urban Innovation Yokohama National University
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